資金難がもたらす悪循環
会社が資金難に陥ると、様々な悪循環が発生します。
資金難がもたらす悪循環の代表的な事例をご覧ください。
この事例はあくまでも一例ですが、資金難がキッカケにサービス品質・従業員のモチベーションに悪影響が出るケースが多いです。
最初は銀行融資など低コストの資金調達ができても、状況が悪化すると資金調達の手段が限定されて更に深刻な状況へ悪化しやすいので注意しましょう。
資金難がもたらす悪循環は、売上やサービス品質以外にも様々なことに悪影響を与えます。
冷静な経営判断ができなくなる
会社が資金難に陥った際に、もっとも大きなストレスを抱えるのは経営者です。
倒産した時のリスクは経営者がもっとも大きくなり、自転車操業していた会社は資金難によって経営者の収入が大幅に減少します。
ストレスや焦りを理由に冷静な経営判断ができなくなり迷走する事例が多いので注意しましょう。
現場のことを何も知らない経営者が思いつきで現場に無理な要求をすることや、正しい計画・試算がない中で新事業参入、利益が出ている事業の売却に乗り切ってしまうケースが多いです。
資金難の時ほど、冷静な経営判断を行うことが大切です。特に現場で働くスタッフの待遇や事業規模へ影響が出ることは、独断では決めずに周囲と相談しながら判断するようにしてください。
大企業や政治家の不祥事を見ると、どれだけ優秀で過去に輝かしい実績を残した人でも、間違った判断をする事例が多いことが分かります。
大半のケースでお金の絡みや、お金がキッカケで正しい判断ができない状況へ陥っているものです。
資金難に陥ってストレスや焦りを感じる時こそ、初心に戻って冷静な判断をするように意識してください。
目先の利益しか見えなくなる
資金難に陥ると、現在の状況を脱するために目先の利益を重視しがちです。
まずは危機の脱出を優先することは正しい経営判断ですが、一度資金難で経営が傾いた経験があると、その後も中長期的な戦略よりも目先の利益を重視するように変わってしまいます。
結果的に資金難を脱しても自転車操業状態になり、予期せぬ事態が起こると再び資金難の状況へ陥ってしまいます。
会社の雰囲気が悪くなる
資金難の会社は社内全体の雰囲気が悪くなってしまいます。
特に人員削減を求められる状況だと、各スタッフが自分の嫌いな人を蹴落とそうとした動きが加速しやすいです。
本来は資金難の時こそ一致団結しないといけないものが、社内の派閥争いが加速して会社の組織力が大幅に低下する事例が多いので注意しましょう。
全てが悪い方向へ動く
ここで紹介した事例はあくまでも一例です。
このほかにも、ネットによる風評被害、ライバル企業がチャンスとみてシェア獲得への攻勢をしかけるなど、幅広いリスクがあります。
会社経営は資金繰りという一つの歯車が狂い始めると全てが悪い方向へ動く恐れがあります。
経営者の頭の中で簡単に対処できる計画があったとしても、思い通りにいかない時のことを想定して早い段階から対処法を検討してみてください。
なお、会社の資金難は売上・利益だけではなく適切な資金繰りができているかで変わります。
経営の抜本的な改善や従業員の負担を増やす取り組みをしなくても、資金繰りを改善するだけで問題を解決できるかもしれません。
資金難に陥った時は、まずは資金繰りを改善できる点がないか早い段階で見直すことが大切です。